【必見】水温が高くなる最大原因!

さて、ここまで、ロータリーエンジンが高温である真相や

RX−7のFD3SやRX−8など現代のロータリー車事情における

水温との関連について解説してきました。

 

それぞれの章、きっと「目からウロコ」とも言える話だったと思いますが、

 

この章では、水温が高くなる最大の原因についてです!

いよいよ「核心」といった感じですね(笑)

 

さて、まず多くの方々が「水温が高い!」と感じると

だいたい“社外の大容量ラヂエターに交換する”という方法で対処しようとします。

 

しかし、大容量ラヂエターにすでに交換されている方ならご存知でしょうが

十数万円かけて大容量ラヂエターに交換しても、水温はちっとも下がってくれません(T_T)

 

以前に、水温対策でご相談にいたし方に

「大容量ラヂエターに交換するだけじゃ、水温は下がらないよ!

 水温があがる根本の原因を取り除かない限り、ラヂエター大きくしても無意味!」

 

と助言し、大容量ラヂエターにだけ交換することをお断りしたことがありました。

 

その方は、私の助言に不満だったのと、どうしても大容量ラヂエターに

交換したかったようで・・・

 

「いや!一般的には水温対策はラヂエターの交換って決まっている!」と言いはり

(心の中では、自分で決めているなら相談にくるな!と思いましたが・・)

 

結局、どこかの量販店で十数万円掛けて大容量ラヂエターに交換したようです。

 

その結果は、ご想像の通り、水温はビクともせず

少々モジモジしながら「やっぱり水温下がりませんでした。石井さんの言う通りでした・・・」

と言って、再び来店され、

 

「お金を掛けて大容量入れても水温が下がらないのなら、純正ラヂエターで十分ですね!」

と言っていました。

 

実は、ここがポイントなんですが「純正ラヂエターで十分なんです!」

 

RX−7のFD3SやRX−8のラヂエターは、取付け位置に問題はあるものの

実は、純正品でも容量的にはエンジンの出力に対して足りています!

 

大容量ラヂエターを販売しているところでは・・・

 

「容量不足」とか「水温が下げるなら大容量ラヂエターに交換」という

一般論を逆手にとって、そのように言っていますが

 

本当は、純正ラヂエターで十分容量は足りています。

 

ノーマルで250馬力を超えるようになった、現代のクルマ。

必然的に冷却装置だって、昔のままでは対応しきれないので

純正品でも、対応できる容量になっています。

 

だから・・・、

 

“水温が高くなってしまう根本原因”をきちんと取り除くことさえできれば

純正ラヂエターで十分なのです!

 

さらには・・・、

 

エンジンとラヂエター位置に高低差があるRX−7のFD3SやRX−8でも、

その根本原因を取り除ければ、冷却水の循環効率が格段にアップできるので

よほどのチューニングをしているのなら別ですが、そうでなかったら

純正ラヂエター、純正取付け位置で十分に水温は安定してくれます!

 

では、その“根本原因”は何か?と言うと・・・

 

冷却水中に発生する気泡が発生する気泡です!

 

気泡が発生する原因は・・・、

 

  • 冷却水を強制的に循環させているウォーターポンプの
    内部にあるインペラ=羽根が水中で回転することで発生する

 

  • 冷却水の温度上昇にともない発生する気泡

以上の2つが原因して気泡が発生します。

 

前章でウォーターポンプの内部画像をご紹介しましたが

もう一度見てください。 ↓↓↓ ↓↓↓ ↓↓↓

ginjiro04.jpg

上記の画像で、外周がオレンジ色をしている方が

冷却水を循環させるために、冷却水中をグルグルと回っている

羽根=インペラになります。

 

このインペラの駆動は、、エンジンの回転をベルトをかえして

動力としているので“かなりの高速回転”で動いています。

 

では、なぜこのインペラが冷却水中を高速回転で動くと“気泡”が発生するのかは・・・

 

一般的に水から気泡が発生するのは、水を熱して

沸騰に近い状態から沸騰状態(100℃)の時に発生することが知られていますが

 

ご存知の方もいると思いますが・・・、

 

水は熱いとき以外にも、沸騰して気泡が発生します。

 

「水」という液体は「いつでも気体になろう!」としている性質があって、

いつでも気体にならないのは“気圧”によって抑えられているからです。

 

この気圧の抑え付け方がゆるい場合=気圧が低い(1気圧以下)時は

沸点の100℃に達しなくても沸騰します。

 

逆に、気圧が高い時(1気圧以上)は、

通常の100℃という沸点を越しても沸騰しません。

 

この水の性質を覚えておいてくださいね!

 

さて、本題に戻って、

「何でインペラなどの羽根が水の中を高速回転で動くと気泡が発生するか?」は

 

水中を何らかの羽根などが高速回転で動くと、その廻りの流速は速くなり、

圧力が低下して沸騰現象が起きるので「気泡」が発生するのです!

 

テレビなどで、船のスクリューが水中で回っているところを見ると

スクリューの廻りから必ず気泡が発生しています。

 

これと同じように、ウォーターポンプが作動すると 

水温が高くなっていなくても「気泡」は発生します。

 

ましてや、高速回転で羽根が動けば、その気泡の発生量は

かなりの量になります。

 

また、この他にも、冷却水が熱くなってくると

水に溶け込んでいた空気が気体となって発生する気泡も加算されます。

 

なので、冷却水中は、かなりの気泡がエンジン稼動時に発生しているのです。

水中に気泡が発生しても、大気開放の場合は、

水面に気泡が動き、消滅するので特に問題はありませんが・・・、

 

クルマの冷却水は、密閉状態の中にあり、

密閉状態の中で圧力が低下して発生した気泡は、

「水中に空洞ができてしまったり、動きが非常に鈍い」という特徴があります。

(この現象を「キャビテーション症状」と言います。)

 

だから、冷却水に圧力を掛けられる「ラヂエターキャップ」があり

圧力を高めることで、冷却水の沸点を高めて気泡の発生を抑制しているのと

圧力によって気泡を壊そうとしているのです。

 

しかし、ラヂエターキャプだけで、仮に規定値よりも高い圧力の物を使っても

気泡を抑制でき、冷却水を常にベストな状態に保つことは難しいのです。

 

もし、ラヂエターキャップだけで、抑制できるのならば

オーバーヒートは、絶対に起きません! 

 

いずれにしても、冷却水の循環において「気泡」が妨げになっていて

これが、水温を上昇させる根本原因だと言うことです。

 

さて、気泡によって妨げられる点について、もう少し解説します。

 

まず、密閉状態の冷却水の中で気泡が発生すると起こるのが

水中の空洞化と水の流れが悪くなることでしたが、

 

要するに、気泡が原因で引起しているこの状態は、

冷却水の循環がいちじるしく悪くなっている状態なので

 

“エンジンの熱を吸収した冷却水とラヂエターで冷やされた冷却水が

  効率よく交換できなくなっている”ということです!

 

このように“冷却水の循環効率の低下”は、当然、エンジンの温度は上昇します。

ガンガン走っていれば、オーバーヒートも起きてしまいます。

 

もちろん、クルマが走ってくれるのは、

エンジンの熱を駆動力に変えることで動いてくれているので

エンジンの熱は、非常に大切なエネルギー源です。

 

しかし、第1章の最後に話していますが・・・、

 

エンジンと言うのは、“繰り返す高温”によって

徐々にエンジンの構成部品が「ゆがんだり、そったり」 といった変形が

大きな原因となって壊れてしまうことが多いのです。

 

エンジンの熱がクルマの駆動力になっているのに

その熱がエンジンに弊害をもたらすと言う、なんとも矛盾した関係ですが・

だからこそ、エンジンの適度な冷却は大切なことなのです。

 

では、ここで、質問です!

あなたは、エンジンの熱がどのような割合で使われているかご存知ですか?

 

この割合を知ると、エンジンの冷却の重要性がもっと理解できます!

 

さて、その割合ですが・・・

 

エンジンの全ての熱を100%と考えた場合、

そのうちの30%チョイが、タイヤなどを動かす「駆動系」に使われます。

 

これは、ノーマルエンジンでもチューニングしたエンジンでも

この割合は、全く変わりありません!

 

だから、より速く走りたい人は、エンジンチューンを行って

エンジンの熱量を大きくすれば、駆動力も大きくするのです。

 

と、余談ですが・・・

 

では、残りは、どのように使われているかと言えば、

 

あとの熱は、捨てることによって、

エンジンが熱による弊害をできるだけ受けないようにしています。

 

その熱を捨てる場所ですが、最も沢山捨てれるのがマフラーで 

マフラーに捨てられる熱量は、全体の約30%程度。

 

次に大きく捨てられる場所は“冷却水やエンジンオイル”などの

油脂類に全体の約20%強の熱を捨てています。

(残りは細かくなるので、ここでは割愛します。)

 

しかし、この割合は・・・、

 

あくまでもエンジンが全体的に正常に稼動している時の最大値であり、

冷却水の循環が悪かったりすれば、その割合も落ちてしまいます。

 

そうすれば、エンジン温度は上昇するのでダメージにつながるのと、

冷却水の循環が悪かったり、排気がスムーズではなければ

エンジンの寿命は、短くなるばかりです!

 

なので、最も大きく熱を捨てられる部分は“常にきちんと稼動させる!”

ということが、大切で・・・、

 

冷却水で言えば、気泡を除去することで循環効率を良くして

エンジンの熱を吸収した冷却水と、ラヂエターで冷やされた冷却水を

きちんと交換できるようにすることです。

 

そうすれば、冒頭にお話した通り、

純正ラヂエターで容量は足りているので、十分に冷却できます。

 

逆に、この気泡を除去しない限り・・・、

 

社外の大容量ラヂエターや、電動ファンコントロール、ローテンプサーモスタット

高圧のラヂエターキャップなど、様々な冷却対策の社外パーツはありますが

どんなパーツに交換しても効果は全く得られません!

 

また、マフラーも様々なタイプが販売されていますが、

大切なのは、サウンドなどの音よりも、排気がスムーズにできる形の物を

使用することが、とても大切なことです。

 

また、この他にも

密閉状態の中にある気泡が原因して起こるトラブルがもう1つあります。

 

それは、気泡は圧力が加わわると消滅しますが、

この気泡の消滅するとき、数千〜数万という衝撃力が伴います。

 

たかが空気の泡ですが、圧力が加わって消滅するときは

想像を絶する衝撃力が生まれて、その振動などによって、

金属を削り落としてしまうトラブルが発生します!

 

もし、エンジン内部の冷却水が入るウォータージャケットで

この現象が起きれば、金属でできているエンジンの壁などを

カンタンに削ってしまい、エンジンブローが起きます。

 

ましてや、冷却水をきちんと交換せずに劣化したものを使っていれば

エンジンの金属を腐食させることになるので、そうなっていると

“いともカンタン”に壊れてしまいます。

 

だから、社外の高い圧力がかかるラヂエターキャップで

ガンガン圧力をかけたら、疲れているエンジンなどの場合、

すぐにエンジンブローすることもあるので、要注意です!

 

ご参考までに。

 

さて、最後にもう一度繰り返しになりますが・・・、

 

エンジンの熱を沢山捨てれる場所は、

マフラーが全体量の30%程度、冷却水やエンジンオイルの油脂類に全体量の20%程度で、

この割合は、正常に稼動しているときの最大値であるということで

 

いずれも、全体量からすると大して大きな割合ではありません。

 

だから、余計にきちんと捨てれるように対策をしてあげることが必要です!

 

水温が上昇する最大原因についてでした!

 


次は冷却水のピーク温度について をご覧ください!